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千明 倫之*; 椎名 達雄*; 斎藤 隼人*; 眞子 直弘*; 久世 宏明*; 羽生 敏紀; 金山 文彦; 福嶋 峰夫
no journal, ,
放射線計測においては、GM管等の接触式センサの他、ダストサンプリングによる測定方法が存在するが、作業者の安全性や機器そのものの被曝に課題が残る。本研究ではこれまで計測範囲0-50mで水素濃度1%まで検知が可能な水素漏洩検知用小型ラマンライダーを開発してきた。今回、この小型ラマンライダーを改良し、放射線環境下における大気計測にて、放射線の大気への影響を考察した。本研究では、放射線源として9MBqのAm-241線源を、光源として349nmのレーザを使用し、水蒸気ラマン光の400nm及び液体の水ラマン光の396nmを検知した。その結果、放射線の影響により液体の水ラマン光が増加し、水蒸気ラマン光が減少した。液体の水ラマン光の増加率と水蒸気ラマン光の減少率の比はおよそ3倍であり、これは液体の水ラマン及び水蒸気ラマンの散乱断面積の比に等しい。このことより放射線の影響により、水蒸気がイオン化し、水クラスタが生成されたことをライダの測定実験で検証できた。また、生成された水クラスタの半径は0.2mと算出され、水蒸気(一般に1nm径)と比べ十分に大きいため、妥当な大きさであると考えられる。